Münchener Freiheit
昨日の続きなんですが、ミュンヘンですごく懐かしい駅名を見つけました。
Münchner Freiheit
(駅の写真撮り忘れたけど、まぁ別に普通です…(笑))
「ミュンヘンの自由」というなんとも駅名らしからぬ駅名なのですが、第二次世界大戦中のレジスタンスを記念してつけられたそうです(元は「Feilitzschplatz」という普通の地名だったらしい…Wikipediaより)。
で、なんでこれがそんな懐かしのかというと、この駅名を名前に関したドイツの有名なバンドがいるからです。80年代に大成功を収めたバンド、Münchener Freiheit*1。
日本でもたま〜〜に紹介されているのを見たことがあります。今でもドイツ語の教材とかには載ってるかもしれませんね(作ってる人がちょうどその世代だろうし…)。
別にその世代でもなんでもない自分に懐かしさがあるのは、実は初めてアルバムを手にしたドイツのポップスだったからです。大学一年生のころ(ドイツ語専攻でした)、文法の先生がドイツのポップスも研究してるとかで毎回紹介してくれたのです。その中のひとつが彼らの代表曲、「Ohne Dich」(服装の”あの頃”感がハンパない)。
全体的なエコーの具合とかシンセの響きがいかにも80年代!という感じですが、メロディがきれいでポップスが好きな人には今でも十分魅力的だと思います。
今回紹介したいのはこのベスト盤なのですが、日本のAmazonとHMVで検索してみたけど、なかったですね…。
『Schenk mir eine Nacht - Ihre schönsten Lovesongs』
一曲目の「Schenk mir eine Nacht(mit dir…と続くので”僕に君と一緒の一夜をくれ”の意)から始まり、「Du bist da(=you are there)」、「Liebe auf den ersten Blick(一目惚れ)」、「Tochter der Venus(ヴィーナスの娘)」、「Ich will dich nochmal(=I want you one more)」とタイトルを見ただけでも「あまっ!」と叫んでしまいそうな甘口のラブソング集としてまとめられています。
そういうストレートなラブソングを、それはもう本当に奇をてらうことなく美しく歌い上げるのがこのバンドの身上。とにかくコーラスワークが美しく、「甘く切なげ」という言葉がぴったりなリードボーカルも嫌味になりすぎていないので一枚さらりと聴けてしまう好盤です。
シンセの音とミキシングが「あー80年代!」とさすがに古めかしく感じてしまう曲があるのは、念のためもう一度書いておきます。ただそれでも、全体的にどこか人懐っこさのあるメロディが多いので、一度聴くとふとした瞬間に口ずさんで思い出すという、そういう魅力のあるバンドです。
ーその他。
- Wikipediaによると80年代半ばから4枚連続でゴールドディスクを獲得していて、今でもドイツを代表するバンドのひとつだと思います。
- どの曲もドイツ語でそれなりに知名度もあるというバンドは案外少なく、しかも歌詞がシンプルでわかりやすいので、冒頭に書いたようにドイツ語教材としても最適ですね。
それにしても代表曲の「Ohne Dich (schlaf ich heut Nacht nicht ein)」は(副題である歌詞からもわかるように)必要な”e”を韻を踏むために落としているのでいつ聴いてもどうも鼻が詰まったように聞こえるんだよな…(野ばらとかと同じ、正統なドイツ語の詩なんだが)。貴重なライブ映像、上げておきます。
- 他に個人的におすすめの曲は「Tausendmal Du」。「Schenk mir eine Nacht」も、すごく字余り感のある歌詞をよく歌いこなしてて、最初はちょっと「ん?」と思ったところがじわじわ効いてくる曲者。
- 現在も活動中。ボーカルの人が変わったけどきっちり甘い。(ところで↑のデュエット、すごくいい!)
- 元のボーカルの方は、20歳以上若い奥さんと結婚して幸せいっぱいだそうです(笑)。
- ここで紹介したCDそのものは探したら日本ではAmazonでギリギリ買える様子。他に代表曲を網羅してるのはこれかな。ZDF*2が出してるシリーズの一つでCD内に解説付きという…!
Amazon.co.jp: Munchener Freiheit : Das Beste Aus 40 Jahren Hitparade - ミュージック
そういうマニアもいるところがさすが日本という感じ。しかし検索してみると代表曲の"Ohne Dich"が入ってない盤の多いこと…!あとiTunes Storeにもありました。