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A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

コロニア(2015)

原題: Colonia (というかまだ邦題がないのですが…)
制作: 2015年 ドイツ、ルクセンブルク、フランス合作
監督: フローリアン・ガレンベルガー
出演: エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィスト
 

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ピノチェ軍政下の1970年代のチリを舞台にしたサスペンス。反政府活動に従事するドイツ人のダニエル(ダニエル・ブリュール)のもとを、CAの仕事でチリに寄った恋人のレナ(エマ・ワトソン)が訪れる。しかし、二人の幸せな時間は長くは続かないのだった。街頭で警官が市民を虐待する様子をカメラに収めたことで、2人は逮捕されてしまう。そして、ドイツ人移民コミュニティに移送されたダニエルを追って、レナは潜入を決意する。そこは移民コミュニティとは名ばかりの”出ることの許されない”カルト教団だったのだ…。
 
 
!!! 以下、ネタバレを含みます !!!
 

 

 
最後までハラハラさせられるなかなかの良作でした。史実をベースにしており、お話の半分以上はコロニア・ディグニダードというカルト教団内での異常な生活が描かれるのでどちらかといえば暗い映画だったものの、立てたフラグは回収するというぬかりない進行のおかげで、最初から最後まで王道のサスペンスとしてのスジは通しているので、きちんと楽しめました。
 
今をときめく華やかな若手スターがこんな暗い映画に出てもいいのか…、と思いつつ観に行ったのですが、逆にそこがよかったですね。収容所といっても差し支えのない暗〜い教団内での生活、超過酷な労働、信者たちの狂気、そして何より教祖(ミカエル・ニクヴィスト)による一対一での面談(尋問)。そういった暗すぎる世界で「でも、私負けないわッ!」と光り輝くエマ・ワトソンは本当にまぶしかったです。(突然裸になって川で泳いだのは…サービス…?)
まさかのCAという設定が制服着てのファンサービス最後の結末への伏線になっているというのも…◎!
 
今じゃもう若手と呼べないドイツでもっとも有名な俳優の一人、ダニエル・ブリュールの演技も堂に入っていてよかったです。単なる頼りない男じゃない存在感を見せつけてくれてました(電流で拷問されて知能が子供並になる”フリ”にもしっかり対応)。冒頭で突然裸エプロンを披露したのには笑いそうになったけど。(安心してください…予告編でも見えてますよ…! →COLONIA DIGNIDAD Trailer 2 German Deutsch (2016) - YouTube
個人的にはドイツ映画ばかり見てきたので英語しゃべる彼にはちょっとだけ違和感もありましたね…(移民コミュニティの話なので、ドイツ語会話のシーンもそれなりにあり。ドイツではほとんど英語の部分をドイツ語にしたバージョンで上映していました)。
 

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私はこの監督の作品を他には観ていないのですが、調べてみるとそれなりに賞ももらっている方のようで。ドイツの映画監督ですが他国を題材にして撮るのがスタイルのようです。日本でも劇場公開された前作『ジョン・ラーベ』も史実を基にしたお話で、こちらにもダニエル・ブリュールが出演しています(それと気になるのがスティーブ・ブシェミ!)。
 
今回の『Colonia』はドイツでは”Colonia Dignidad - Es gibt kein Zurück”というタイトル(=there's no return)で公開されていましたが、デュッセルドルフのとある映画館では現在までに15週も連続して上映されているのでそれなりのヒットになっていると言えるのではないでしょうか(通常国内作品でもひと月程度が標準、外国のミニシアター系作品は2〜3週間)。
 
それにしても、意義深いのはこういった負の歴史を広く知らしめていること。私もこの映画がなければチリ軍政下のカルト教団による人権侵害の実情なんて、なかなか知らなかったでしょうし。
男女隔離と厳格なルールの徹底、暴力と投薬によって信者を洗脳していることや、映画の最後に描かれる彼らが政府とも内通している(コロニアが反政府分子の処理に加担している)ことなど、まぁ言ってみれば「よくある話」ではあるのですが、それにしてもこれが数十年前に起こった実話だというのは相当に、怖い。こうして劇で示されると文字情報で読むよりも非常にわかりやすく恐怖が伝わってきます。
 
Wikipediaにも日本語版の記事が載っています。映画にも出てくるパウル・シェーファーは元ナチ党員で、1961年にこの「尊厳のコロニー」を設立。現在もビジャ・バビエラ(バイエルン村)という名前でコミュニティ自体は存続しているようです。
 
 
いやーそれにしてもエマ・ワトソンが美しかった…(このCA姿…!)。日本でも知名度のある俳優の主演作なので普通にロードショーしてもいいと思うんですが、これを書いてる時点ではまだめどが立っていない様子。期待せずに待ちましょう。
 

 

 
 
あ、そういえば今日タブロイド紙でダニエル・ブリュールがもうすぐパパになる?というのを読みました。
 
いやーそれにしてもエマ・ワt(ry
 

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