A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

ポール・マッカートニーのデュッセルドルフ公演にいってきました

というわけで先週の土曜日、ポール・マッカートニーのライブに行ってきました!
 

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(写真はパンフの表紙から)
 
前回のホリーズと違ってバンドの説明がいらないから、楽ですね(笑)。
念のため再確認しておくとビートルズは私の永遠の憧れで、昔バンドでベース/ボーカルをやってた私は何を隠そう、、、ポール・マッカートニーが、、、いやポール様が、、、大好きです
 
 
 
……一旦落ち着こう…。
 
ヨーロッパでポールを観るのは2015年のアムステルダム公演以来1年ぶり、2回目。そして今回は初のホーム戦であります。
今年から開始されたツアーのタイトルはOne On One”ツアーと題されており、5月28日のデュッセルドルフ公演は栄えあるヨーロッパツアーの初日でございました。
 
 
(今日も、、、長いです笑)
 

 

でもなんだろうこのリラックス感〜。地下鉄で25分だったからかな〜。いやホームで観れるって、本当にこんなにリラックスできることだったんですねー。ありがとう、ポール!!
 
公式がYouTubeに上げてくれています!
 
いつも見慣れた街にポールがいるのって、すごく不思議な感じですね〜。デュッセルドルフでのライブはなんと44年ぶりだそうです。ていうか、44年後もライブをやり続けていること自体がすごい。
 

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(電車も特別運行でした)
 
ちなみに私はちょっと勘違いをして18時前に会場に到着(笑)、ゲートは開いてませんでしたが(当たり前)、中でサウンドチェックをやってるのが聞こえました^ω^ 今回からセットリストから外されてしまった”Mrs. Vandebilt”でした。
 
→ この記事には”サウンドチェック・パッケージ”に当選した幸運な方々の写真が載ってます。いいな〜。
 
カフェでお茶を飲みながらのんびり待って、いざ入場!
 
 
 
今回は2階席の最前列で障害物がなかった分、よく見えました。二階席か…と思ってたもののこのポジショニングはさすがに発売開始30分で入手しただけのことはある…。
まぁ、ポールもメンバーも全員豆粒で表情全くわからなかったですけどね!(笑)
 
去年はアリーナだったのでもう少し大きく見えましたが、スタンディングだったので周りのオランダ人の身長が高すぎて辛かった…それを考えると今回は何にも気にせず見れて……来日公演も含めて人生で一番リラックスしてポールのライブに浸れました!
(※ とはいうもののライブはやっぱスタンディングで踊らなきゃ!とも思ったのでした…)
 
ただ、開演前のBGMで気になっていたのが音響。2階という位置もあるかもしれませんが、アムステルダムのZiggoドームの方がよかったです。反響が全然コントロールされてなくて中〜高音がずーっとバリバリいってました。ショーが始まってからそのうち慣れたけど。
ちなみにこの音響の悪さは結構批判されてて記事にもなってました…。
その名も「ビッグなショー、ひどい音質」とそのまんま(笑)
 
Out Thereツアーもそうでしたが、開演前に流れているコラージュの映像も素敵ですね。かかっていたBGMはビートルズやポールの曲、それにカバーをミックスしたもので前回も聴いたな〜というものもありました。去年は”Chains”の原曲がイイネ!と思ったのですが、今回一番気に入ったのは”You Can’t Do That”のシュープリームスのカバー。演ってたの、初めて知りました。
 
 
考えてみれば、こういった黒人女性コーラスグループの魅力を教えてくれたのもビートルズだったなぁ…なんてしみじみ。
 
そんなこんなでヘフナーのベースがスクリーンに映し出され、いざ!ポール登場!!!!2万7千人集まったらしいですが、それはもうすごい盛り上がり方でした。*1

 

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セットリストはここで見れます。
 
 
今回のツアーはなんと”A Hard Day’s Night”から始まるという豪華ぶり!
んー、でも、最初のジャーン!の感動は(音響のせい?)薄めでした。純粋なポールの曲じゃないし、ジョンのボーカルありきでポールが”When I’m home〜♪”って入るところがシビれる曲なんですが。それでも超有名曲だから大合唱でしたけどね。
ビートルズの曲は嬉しいんだけど、そこまでサービスしなくてもいいんだけどなぁ。
個人的には(ポールの曲でもあるし)マジカル・ミステリー・ツアーやハロー・グッバイの方が良いオープニングだと思います。
 
むしろ、次の”Save Us”でドライブさせてからの”Can't Buy Me Love”の方がライブが始まった!という気にさせてくれました。
 
ポールはきっちりご当地の言葉で挨拶。これは定番ですね。今回はあいさつだけじゃなくて、他にもさまざまなドイツ語のMCをしていました。よく知られている通り、ビートルズデビュー前のハンブルク巡業で滞在したこともあるので、それなりにゆかりある土地なんですね。そこで覚えたのかな?と思いきや、12歳のときに学校で習った、とのこと。
僕とジョージだけはそれを覚えててね。だから(ハンブルクじゃ)料理も注文できたんだよ。ソーセージ一皿、炒めたタマネギ、とか…
(会場大爆笑)
 
「リピートする機会がなかったからさっぱり忘れちゃったけどね」と言いながら最初は紙を見ながらたどたどしく話していたのですが、面白いことに発音すると思い出すのか後半にはそれなりの発音でMCしてました。すごい!
 

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(これをやらせてる日本もすごい…)

 
セットリストに戻って、序盤で驚いたのがなんとWingsの”Letting Go”を演ったこと!王道のハードロックで大好きな曲なんですが、変わらずかっこよかったですねー。
あとで考えてみると流れが完全に変なんですが、次が”Temporary Secretary”。これって一般的には「テクノやろうとして失敗した曲」という評価なんですが、今この時代にライブでやると意外なほど盛り上がるんですよねー。特に若者には、こういうノリが一番身近なものとしてあるんでしょうか。時流を見ての悪ノリという感もなきにしもあらずですが(笑)、ノレることはいいことだ!
 
そう、若者といえば、ポールのライブですごいのがお客さんの客層が見事に全世代なこと。若干シニア世代が多いものの、それでも若者もめちゃくちゃたくさん来ています(もちろん私も含めて…笑)。これって、本当に世界でも限られたアーティストだけがなせるワザなんですよね。
これに加えて、日本みたいな「すわっ、来日公演っ!」ってギラついた感じの人が少なくて、みんな自然体でお祭りを楽しみにきてるおおらかな雰囲気があって、それもヨーロッパで見る醍醐味だなあ、と今回2回目ですが感じました。
 

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(去年行ったアムステルダムの写真…Everybody Out There!)
 
序盤でおなじみ”Let Me Roll It”は正直”Letting Go”やったのでないかな?と思ってたのですが、ありました。最近ここで必ず登場するレスポールはがかかれてるんですね。実は知らなかったんですが、人かよとちょっとつっこんでしまった…。Wikipediaによると、ペイントは2009年ごろに行われたようですが、これも1960年製なんでしょうか?*2
 

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次の”I’ve Got a Feeling”は意外なほど声出てたんですが、原曲よりもジャカジャカ弾くイントロで「あ、これって意外とアコースティックナンバー的な趣きもあるんだな〜」と再発見しました。今の奥さんナンシーに捧げる”My Valentine”(バックで写るのは本当の手話なのかな?)、数年前から定番になっているコアなウィングスファンのための”1985”(ライブだと盛り上がるんだこれが!)のあと、ひときわ会場が沸いたのが”Here, There and Everywhere”。
やっぱり美しい曲はしみじみ感動するんですが、そのあとの”Maybe I’m Amazed”。これは、、、あえて言うんですが、やっぱり外してほしかった…。
間違いなく代表曲だし、明らかに美しい曲だし、私を含めてそれはもう大勢の人に愛されてる曲なんだろうけど…随分前からこのキーはもう出なくなっているようなので、せめてキーを下げるか、潔く外してほしい。
これがなくなって”Yesterday”がなくなっても、ポールのライブは全然問題なく成立します。そして、そういうショーであっても必ず人は来るので、そろそろそういう「お客さんのため」じゃないショーを決意してほしいなあ〜。彼にとっては「お客さんのため」がイコール自分のためなのかもしれないけど…。
 
そんな感じで”We Can Work It Out”から始めて、しばしのアコースティックセッションへ。
今回のセットリストで一番の驚きは、やはり”In Spite of All the Danger”でしょう。これはポールの最初期の自作曲のひとつで、かつ知られている一番古いビートルズ(当時はクオリーメン)の録音でもあるのです。なんと1958年。普通に半世紀以上過ぎてます。
当時の録音はビートルズの『Anthology 1』で聴けるのですが(ありがたすぎ…!)、ジョンがボーカルをとっています。
ジョンの伝記映画『ノーウェア・ボーイ』では彼の心情を写した曲として非常に印象的に使われています。
でも、実は書いたのポールとジョージなんですよね(ジョージはソロだけ)。
Ah Ah Ah Ah~♪というコーラスの部分をオーディエンスに歌わせるポール。半世紀以上あとに自分が何万人もの人間に合唱させてるところを16歳のポールが見たらなんていうでしょうね!?(案外、「そ、これが俺のやりたいことさ!」って言うかも…^^;)
 
 
 
 (ビートルズ関係なく普通にいい映画なんで、オススメです!ただ、ポールの似てなさっぷりはこれいかに…w)
 
 
アコースティックセッションでは次に”You Won’t See Me”を披露。これ、個人的に大好きな曲で大感動でした。曰く、ギターのコードから曲を作ることもある、こんな風に…♪ということでしたが、原曲はポールのピアノ弾き語りなんですよね。てっきりピアノで作曲もしてたと思いきや、アコギで弾いてたとは…!
 
そのあとの展開ではリアーナとカニエ・ウェストと共演した”FourFiveSeconds”も取り上げてました。案外いい曲なんですよね〜。Out Thereツアーではゲームのために書いた”Hope for the Future”を演ってたんですが、あれよりは全然いい感じでした。
 
少し前後しますが、”Here Today”と”Something”の追悼には今回も目頭が熱く……。そして、今回は”Love Me Do”がジョージ・マーティンに捧げられていました。少し簡単すぎる気もしたので、もっとマーティンの思い出を語ったり映像とかも盛り立てた方がよかったかも。
 
そして、ついに本編のクライマックスです。勝手に”Band on the Run”が始まると「あ〜もうすぐ終わりなんだなー」と感じるんですが、そこからが意外とあります(笑)いつもこのあとに”Back in the U.S.S.R.”やるんですが、なんか座り悪くないこれ?(笑)
 

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今回の「ドカーーーーーーン!!!」はほんと最後に持ってきました。大興奮なんですが、いつ見てもポールの「耳が聴こえなくなっちゃったよ!やりすぎだろー!」リアクションがマジなんじゃないかと不安になってしまう…^^;
 

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(マジですごいです、いつ見ても)*3

 
 
Hey Jude”を大合唱したあとに、アンコールでは”Hi Hi Hi”、”Birthday”なんか飛ばすナンバーをやるんですが(今回から”Helter Skelter”外れましたね、それと”I Saw Her Standing There”も)、アンコール、本当にすぐ戻ってきました。今まで体験した中で一番早いかも…(笑)。
いやーおつかれなんでしょうね。ていうか、今回のツアーの一番の特徴はアンコールが一回で終わることにあるかもしれません。
記憶してる限り、2000年代以降のツアーでアンコールが一回だったことってないと思うんですよ。(その前の89年と93年も2回だったはず)
そこになんだか、すごく驚きました。でも、これ、ほんといいことだと思うんですよ。私はどちらかというとこの予定調和なアンコール演出が嫌いで、本編きっちりやってさっと帰る!っていうのが一番あるべき姿だと思うんですよね。アンコールは本来、本当にめっちゃくちゃ盛り上がったときだけ応えてほしいんですよ…。
そんなわけでこの方針には大賛成。曲数ももっと少なくていいと思います!常に「あっという間だった。名残り惜しすぎる」という感触をもたせてほしいなあ、というのが逆に贅沢なファンの望みであります。
 
ま、と言いながらもちろん今回もあっという間だった名残り惜しすぎるショーでしたけどね!ありがとう、ポール!
 
 

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(超でかいポールが貼られているのを横目に…帰途)
 
 
 
あっそういえば以前結構やってた『Flaming Pie』関連の曲は外れちゃったな〜。”Only Mama Knows”とか、”Dance Tonight”とか、『Memory Almost Full』からの曲もプロモーション的な意味合い抜きですごくライブ向きだったし、アコースティックセッションでは『Chaos And Creation In The Backyard』からの曲絶対映えるのにになあ。そう言っておくのは『New』からの曲は素晴らしくて、いつまでも外して欲しくないからでもあります(できるなら他の曲もセットリスト入りしてほしい)。そう、つまりビートルズ・ウィングスのヒット作はそろそろ声が辛いというのもあるので、最近の曲を中心にしたライブが、本当は見たいなーというのが次なる願いであったりするんです。
これ、数年内に実現しないかなあ…。
 
 
いや、それにしても書きすぎました!!^^;
詳細ライブレポ+αということでご容赦いただきたいのですが、最後に帰ってから笑顔で眺めたパンフからの引用で締めたいと思います。それでは!
 
 

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(去年のと並べてみました!) 
  

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(塗り絵です…塗りませんけどw)
 
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(いつもパンフにはこういうおまけがついてます。去年のには3Dメガネがついてましたw)

 

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(すごく…LINEです…最近のLINEのポールは声が出たりするんですよね…w)
  

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 (A-Z的なやつ、意外とおもしろかったです)
  

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(リンダのレシピにもとづいた料理が発売されているようです)

 

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(何気に本文には全く登場しなかった(笑)バンドメンバー。考えてみるとすごく長いこと同じメンバーでやってるんですよね。ウィックスなんてもう20年以上だし…今回もきっちりサポートしてました。ありがとう!)

 

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(ラスティ、いいこと言ってます)

 

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(最近すごく多いこのポーズ。見てるとなんだか彼の人生を表しているような気がしてきた。すばらしい。裏表紙より)

 

ありがとう、ポール!またお会いましょう!