The Oath(2016)
前回の続き。
アイスランドからの本格サスペンス。娘を愛するあまりに暴走し泥沼にはまり込んでしまう男の姿を描く。奔放な娘がよからぬ男と付き合っていることを知った外科医のフィヌー。いてもたってもいられず男の家に不法侵入し、そこで発見したドラッグについて匿名で通報してしまう。しかし、すぐに彼が通報したことはばれ、ドラッグディーラーである男(オッター)に金を要求されることに。悩んだ彼は自らのスキルを活かしたある解決方法を思いつくが……。
全編にわたって緊張感を保たせていて飽きずに観れました。何が怖いのかと言われると難しいのですが(グロ描写とかはなし)、やはり娘を考えるあまりに「行動」を起こしてしまう男の心理そのものかもしません。 監督のバルタザール・コルマウクル氏は、マーク・ウォルバーク主演の『ハード・ラッシュ』などハリウッド映画でも監督・製作を務めており、アイスランド映画界でももっともグローバルに知名度のある1人と言って良いと思います。本作でも監督のみならず主演・脚本を兼任しその才能をいかんなく発揮。まだなんですが、近作の『エベレスト3D』も観たい〜!
Filmmaker of the year award for Kormákur - Iceland Monitor
ちなみに先に挙げた『ハード・ラッシュ』は公開時には知らなかったんですが、2008年のアイスランド映画『レイキャビク・ロッテルダム』のリメイクです。ロッテルダムからレイキャビクへの密輸をパナマからアメリカに置き換えています。オリジナルで主演していたのがバルタザール・コルマウクルです。後半で見せる”意外と暗い”展開に驚いたのですが、もとがヨーロッパ映画と考えると妙に納得。マーク・ウォルバークがハマり役でかっこよく、中だるみなく進む展開も爽快な、私はなかなか好きな一本です。