ギミー・デンジャー(2017)
書こう書こうと思って時間が経ってしまいましたが、日本では9月に公開されるストゥージズの新しいドキュメンタリーを観に行ってきました!
※ ごめんなさい!筆者はイギーポップやストゥージズの大ファンでもなんでもありません。勝手なこと書き綴ってますけど、「んなこた100年前から」「予習ぐらいしろ」「おとといこい」的なアレはご勘弁を…!あと多分ジャームッシュ監督の大ファンというわけでもありません…!(苦笑)
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突然こわくなったので最初に謝っておいたのですが、そう、新しいドキュメンタリー。自身がイギーと親友のジム・ジャームッシュが監督してるんですね。行く前には勝手に最高にハッピーでロードムーヴィー風な「ここに見参!ジャームッシュ@元祖パンク野郎ども」みたいな100分を想像してたんですが、いやいやいや、全然。演奏シーンよりも関係者の証言を中心とした実に真面目なドキュメンタリー作品でした。
イギーもちょっと上半身裸なぐらいで結構ゴキゲンに、饒舌に当時のことを語ってくれています。これもやっぱり監督=親友効果なのか、イギーが常にイイ顔なんですよね。
そうした真面目な作風からうかがえたのは、イギー&ストゥージズがやってきたことへの並々ならぬリスペクト。私が個人的に「あぁ…そうなんだよなあ」とうなずいたのは始まりが60年代なかばというところ(デビューが1967年)。ダムドの10年前!ストーンズはサタニックマジェスティーズ!(あえてこれを出すが) そうした彼らの偉大さに真摯に迫った良作と言えますね。
ちなみにそのころのストーンズさん(1968年だけど)。
そう、時代的なことで言えば、同時代の”流行り”を無視していることが、私としてはすごく面白く感じました。つまり、イギリス勢が全然眼中にないところ。具体的に名前が上がったのはザ・フーぐらいでビートルズだストーンズだという話は皆無(ジョーコッカーが一瞬出てきたけど音楽的影響とは違う文脈)。それを意識して流行から離れていった、ということではなくて(イギーのキャリアの最初のバンドは明らかにそういうビート系のバンドだった)、あくまで「え?いや別に。俺たちデトロイト出身だし」という自然体でやってるのが…イイネ!
無視、と言ったものの、はっきりと「くせえ」と言われていたのはフラワームーヴメント。CS&Nが例として登場したんですが(まぁ確かに真逆のスタイルだわな)、私が苦手なバンドなので「うんうん、そうそう!」って妙にスカッとしました(笑)。
ていうかこれどんだけいい写真なんだって感じじゃないですか?
同時代的な流行に乗っかってなかった、というのと同じく面白かったのが、イギーの音楽的なルーツ。トレーラーハウスでドラムを撃ち鳴らすところから出発してるのも奇抜だけど、それ以上に割と甘めのポピュラー音楽が含まれていることは興味深かったです。それから、ジャズにまで目をやりながら音楽をつくっていたというのにも驚きました。
そんな感じで書いてるとどうも辛気臭い映画っぽくなってしまいますが、ロッカーらしい”伝説”エピソードとかはしっかり出てきて、要所要所で笑わせてくれます。最初のバンドでの「目立ちたくて」あほみたいな高台組んでドラム演奏した写真とか、一番最高だったのは大麻乾燥のくだり。爆笑必死です。正直このシーン、ハイライトのひとつだと思うので、これから観る方はぜひ楽しみにしててくださいね!(笑)
というわけで、最後はきちんとこの最高のリフでお別れです。
画像出典: NTS Presents Gimme Danger | Institute of Contemporary Arts
GIMME DANGER - Photocall - EV - Cannes 2016 - YouTube
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