ワルシャワ映画祭 続き
本当は全部ちゃんと書ければいいのですが、なかなか遅筆で……うーむ、ブログ向いてない(笑)。
というわけで、端折ってワルシャワ映画祭で観た作品をいかに4つ上げて締めたいと思います!
『Moon Hotel Kabul』(ルーマニア、2018)
Moon Hotel Kabul (2018) - IMDb
タイトルからアフガンの映画かと思うが、実際にはルーマニア発のコンペティション作品。同映画祭ではAnca Damian監督が最優秀監督賞を受賞しました。
実は観てから本作の評価について考え続けているのですが、なかなか難しいものでした。ある女性の死をきっかけにした主人公の心の旅、というべき作品ながら彼の成長というにはもともとそれほど未熟には描かれていないし、主人公が決断を下すエンディングを成長という前向きな言葉では表現したくない。「失ってから気づくもの」や「真実を明らかにすること」は確かに本作にとって重要な点だが、それだけではない。じゃあ、なんなんだろう?この映画が言いたかったこととは。遺体を受け取って彼女の故郷であるルーマニアの田舎までのロングドライブ、そしてその道程で出会う人々。それらが必ずしも有機的に結合しないこと、そして思いがけない出来事が人生に影響を及ぼすこと。自分が決断することだけではない、そうした「ふとした」事実によっても人生が意図せず作られていることを表現したのが本作なのかもしれない。受賞も納得の、非常に味わい深い作品でした。
ちなみに、基本的に前情報はできるだけ入れないで映画を観る方なのですが、とはいうもののこれをアフガニスタン映画と思い込んで行ったのはさすがにちょっとあほだなと思いました(笑)。
(画像および参考リンクは以下)
『Ederlezi Rising』(セルビア、2018)
孤独な宇宙への旅に同伴するアンドロイドが若い女性だったら?という、まぁ男性が好きそうなモチーフを直球ストレートに表現した、逆になんか目新しい映画だった。セックスシーンがやたらと多い。
お話としてはかなり王道(というか古典的?)SFで、アンドロイドは意思を持つのか?外見が人間と相違ないロボットが意志を持ったらそれは人間と言えるのか?というもの。それにしてもなんで人間は禁止されてると絶対それを破って取り返しつかなくするんですかね。
先に書いたようにセックスばっかりしてて(まぁそれが1つのテーマともいえるんだが)、脱ぎっぷりがすばらしいなあこの女優…!と思っていたら現役のポルノ女優でした!ちょっとがっかり…(でも演技は普通によかったんだけどね)。
それにしても近未来的なコンピュータの画面(デザインそのものは新規性なし、黒いバックに線で文字や図を写すやつ)の言語、セルビア語(だと思う、キリル文字は…)と英語の他にハングルが常に出ていたのだがなんで韓国語?
基本的に男と女の2人のドラマなんだけど、男の方がちょっとジョージクルーニーに……似てない?
(画像および参考リンクは以下)
Ederlezi Rising | Official Trailer - YouTube
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以下は個人的にそんなに……でした。
『Soledad』(アルゼンチン、2018)
イタリアで活動した実在の過激派テロリストの伝記映画。コンペティション作品で期待してたのですが、あまりにも感傷的な映画で個人的には全然共感できませんでした……。思想に共鳴してテロリストになったはずなのだが、その思想性が全然読み取れず。これだけ見ると好きになった人がテロやってるから自分もやりました、としか見えず。……残念。
『When the Trees Fall』(ウクライナ、2018)
離れ離れになった若い男女の話。男は押し込み強盗をするもギャングに追われる身になり、女は望まない結婚をする羽目に。悲劇なのだろうが最後の唐突なSF的展開に度肝を抜かれる。ただ、ちょっと何を言わんとしていたのかは……。馬を愛でる無垢な女の子が可愛かった。