A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

タリン映画祭にいったこと

最近ちょっとだけ各地の映画祭を紹介するブログみたいになってますが、、、でも楽しいです、映画祭!というわけで今回も。

 

行ってから少し時間が経ってしまったのですが、11月下旬〜12月頭まで開催されていたタリン映画祭に行ってまいりました。

正式名称はTallinn Black Nights Film Festival。略してPÖFFなんですが、エストニア語がさっぱり分からない私はこの略称が覚えられず映画祭のサイトになかなかアクセスできませんでした(何度ググったことか……笑)

よく見ると「International」とついていない珍しい映画祭ではありますが、出品作品は十分世界各地からの作品が並んでおり、Wikipediaによれば、世界14大映画祭の1つだそうです(だから多いってば)

それにしても、行ってみたものの別段極夜というわけではなく*1、名前の由来にはあまりピンときませんでした。いやもちろん日の入りが15時すぎで基本は暗かったですけどね?(笑)

 

……え?タリンってどこかって?そう!エストニアの首都なのです。いわゆるバルト三国。個人的には行ったことない土地だったので映画祭行きを決めたところもあります…!(旅行・観光を兼ねたなかなかいい趣味のような気がしていて……おすすめです!)

 

あまりなじみのないところかもしれませんので、今回はちょっと旅行ガイド的に。

 

 

  • アクセス: エストニアの首都、タリンですがとにかく空港からのアクセスが抜群!トラムに乗って10分ぐらいで街の中心。これにはたまげました。ドイツからだと行きは直行で2時間半、エアーバルティックに初めて乗りました。

 

  • 街: まぁ、それだけ小さな街ということでもあるんですが、ドイツ風の旧市街と近代的なビルが調和したきれいな街でした。映画祭とはあまり関係ないのですが、記事の下に街の写真も少し載せておきましたので、よければどうぞ→。*2

 

  • 言語: ちなみに言葉はエストニア語。他のヨーロッパ言語と違う系統(フィンランド語と同じ系列)なので新鮮な体験でした。歴史的な経緯もあって第2外国語はロシア語が多かったですが、通りの名前なんかはドイツ語が案外残っていて最初「…ん?……読める…私にも読めるぞ…!」となってちょっと驚きました。なお、旧市街は観光地なのでどこでも英語でOKでした。

 

  • 映画館: 国際的な映画祭の場合はシネコンのスクリーンで上映することが多いのですが、普段ミニシアターばっかり行ってる私としては「イスがふかふか!ひろーい!」みたいな田舎者のような感想を抱いてます(笑)。それにしてもすごくきれいで立派な映画館でした。シアター以外も基本的にどこ行ってもかなり清潔だったイメージです。

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メインの会場、コカコーラプラザ。旧市街のすぐ近く=街の中心にあります。

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チケット売り場。

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映画祭のシンボルの狼。金ぴかに。ちなみに右に写っている赤いポスターが公式プログラムの表紙です。なかなかかっこいい。空港にも置いてあって期待が高まりました。

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ニュースでよく出てくる映画祭の写真撮るブース。

 

  • 会場: ところで、注意したいのがこれ、会場がタリンだけじゃなくてエストニア第二の都市であるタルトゥにもあるということ。地理が全然分からず、というよりそもそも他の都市での上映もありえるという発想がなく、危うく違う都市での上映含めてスケジュール組みそうになりました。フォントサイズを超でかくしてトップページに書いといてほしい。。(だってタリン映画祭でしょ…?)

 

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ちなみにタリンとタルトゥの距離感。大阪ー名古屋よりも遠い。。

 

  • プログラム: メインのコンペティション(Official Selection)からFeature Competitionなどたくさん部門があってなかなか充実しています。
    パノラマ部門には既に他で上映された(作品によってはロードショーになっている)映画も出ていて、退屈しないかもしれません。攻めてないように思われるかもしれませんが、いわゆる”アート系”映画に興味のない一般的な観客にも足を運んでもらうために良い取り組みだと思いました。エストニアの映画館事情はわかりませんが、コンペティション作品じゃなくとも、より多くの人に楽しんでもらうことはやはり映画祭をやる1つの意味でしょう。
    エストニア映画はもちろん、バルト三国からの映画のコンペティションもあって、普段見る機会の多くないものなので、これの興味も引きました。
    それと、ゲーテインスティトゥート(国内外でドイツ語を教えたり文化を広める団体)提供の『New German Film』という部門があり、非常に良かったです。ゲーテはドイツ語を学ぶ人には有名な団体なんですが、日本でもドイツ映画祭を毎年開催しています(今では規模も縮小してしまいましたが…)。それを大規模な映画祭の中の1つの部門としてやる試みは面白いなと思いました。

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  • 作品: 今回は全部で5作品観ました。1つはすでにヨーロッパ映画賞を受賞した作品(難民問題を扱った極めてシリアスなドイツ映画『Styx』)だったものの、他も良質な作品ばかりでした。個人的な評価としては高水準かと。さすが世界14大映画祭!(笑)ただ、ちょっと困ったのが割と夜型なこと。Black Nights Film Festivalなので仕方がないのかもしれませんが、コンペティション作品を中心に見ようとすると早くても14時〜になってしまいスケジュール組みに悩みました。朝ホテルを出てからのんびり観光も、という人にはいいのですが、そうじゃなければちょっと厳しいかもしれません。

 

あ、なんかお約束みたいな感じですけど、Black Nightといえば。リッチー・ブラックモアがヒーローだった私はもちろんこの曲も大好き。一番かっこいいのはやはり武道館でのこれ(特に入りの部分…!)。

www.youtube.com

 

 

*1:極夜は英語でpolar night

*2:タリンの街並み。

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    旧市街に入るところ。

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    シンボル的な教会。

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    でも実は一番感動したのはこのロシア風という……。

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    夜の街。それにしても寒かったな〜。

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    カドリオルグ宮殿。晴れてればもっとヴィヴィッドな写真になったはず…!

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    美術館。エストニアの芸術家を全く知らなかったので新鮮でした。