オーバーハウゼン国際短編映画祭で観てきました その1
…という概要だけなのもアレなので、続編として、観た作品全部書いておきます。ちなみに最初の二つは初回の上映だったので監督からの挨拶がひとつひとつありました。これも映画祭の楽しみの一つですね。
ドイツ国内コンペティション部門 第2回。
(タイトル/監督/国/制作年/時間、以下同)
A Fire in My Brain that Separates Us, Benjamin Ramírez Pérez, Germany, 2015, 17'10"
この作品を観たくてこの回に参加したのだが予想とは全く違った作品だった。一つ一つの印象的なセリフ(どうも数々の映画からの引用らしい…男女の会話のように思えた)とともに部屋の中の様々な情景が映し出され、家具が糸や人によって引きずられるシーンが繰り返される。タイトルとともに、非常に印象的では、あった。
Durch, Jelena Marković, Germany, 2016, 13'12"
ポーランド出身の監督だったが、昔観たドイツ映画の『Farland』という映画を思い出した。ハンブルク(だと思う)のうら寂しい街を背景に若い女性の陰鬱な表情が映される。都会に生きる空虚さや悲しい出来事に接したときの感情が鈍るような感覚を映画いていたように思えた。この陰鬱さは個人的には好きだったので、ぜひこのテイストでの長編を観たい。
Ohne Titel (Gülsen und Hüseyin), Aykan Safoğlu, Germany/Turkey, 2015, 13'10"
Macの画面に表示されている複数のムービーをクリックして再生することで話を紡いでゆくというなかなかユニークな手法でそれそのものは楽しめた。ただ、トルコからの最初期の移民だった叔父を再現するというストーリーはどうもよく飲み込めず…。
Four Diamonds, Ute Aurand, Germany, 2016, 4'09"
監督は初老といっていいほどの年齢の女性だったが、アメリカに行った際に偶然出会ったシーンをつないだものだそう。キラキラした映像が意図的にゲインオーバーな音楽とともに流される。ストーリーがあるわけではないが、映像作品としては美しく、よかった。
Familiar Memories, Pol Merchan, Germany, 2016, 3'52"
前の作品と同じ系統のもの。ただ、もっとテーマが明確で、タイトル通り自分が子供の頃の家族、特に母親との思い出をノスタルジックに描く。
Coming of Age, Jan Soldat, Germany, 2016, 13'30"
まさかの濃厚なゲイ映画。ゲイのセックスビデオが居間のTVで流れているシーンから始まるのが衝撃だった(バリバリ本番中で…)。中年(壮年?)のゲイカップルの様子を記録した作品だったのだが、どうも同性愛というだけではなく幼児プレイなどかなり変態で、二人が愛し合う様子もリアルに写されていて、申し訳ないが撮り方が下品で気分が悪くなった。会場ではかなり笑が起きていたけど、監督これ悪意なかった?
オーバーハウゼン国際短編映画祭に行ってきました
もう先週のことになりますが、オーバーハウゼン国際短編映画祭に行ってきました。
これは知る人ぞ知る著名な映画祭で、今年で62回目をむかえます。Wikipediaによれば世界で最も古い短編映画祭の一つだそうです。
私は今回初参加。家から会場までは車で30分ちょっとという近さでした(笑)。
Münchener Freiheit
昨日の続きなんですが、ミュンヘンですごく懐かしい駅名を見つけました。
Münchner Freiheit
(駅の写真撮り忘れたけど、まぁ別に普通です…(笑))
「ミュンヘンの自由」というなんとも駅名らしからぬ駅名なのですが、第二次世界大戦中のレジスタンスを記念してつけられたそうです(元は「Feilitzschplatz」という普通の地名だったらしい…Wikipediaより)。
Postbus
先日、日本から出張で来た友人に会いに、ミュンヘンに行ってきました。私はデュッセルドルフというドイツの割と西端にある街に住んでいるのでちょいと遠い。
普通にICE(ドイツの新幹線的な存在)で行こうと思ったものの、今まで知らなかったPostbus(ポストブス)という存在を知り、価格も魅力的だったので使ってみました。
これ。なんかめっちゃ黄色い。
それもそのはず、名前の通りドイツ郵政*1が運行しているバスなのです。
ルーム(2015)
原題: Room
制作: 2015年 アイルランド・カナダ合作
監督: レニー・アブラハムソン
出演: ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ
順不同で書きなぐる予定のこのブログですが、最新作も取り上げようと思っています。ドイツに住んでいる関係上、日本公開よりも早く感想を公開することになることもあるでしょうね。
今日は、先月末ぐらいに観たこの作品。日本でも最近公開したそうで。
!! 以下、ネタバレを含むみます(し、この映画大好きだった人は読まない方がいいかも…?) !!
ボーグマン(2013)
原題: Borgman
制作: 2013年 オランダ・ベルギー・デンマーク合作
監督: アレックス・ファン・ヴァーメルダム
出演: ヤン・ベイヴート、ハデヴィック・ミニス、イェロン・ペルセヴァル
一番最初に言いたいのは、「パッケージにだまされるな!!!!」ということ。この日本版DVDのパッケージ作った人誰だよ…売りたくなかったのかよ…。(むかつくので一番最後に出します)
本当にパッケージだけ見て単なるB級スプラッタだと思っていたらそれは実に惜しいミス。実際には精緻に作られた不条理サスペンスであって、スプラッタ要素はゼロ。私はなかなかの佳作だと感じた。
もう一度言うけど、本当にパッケージとは似ても似つかない、予想外に宗教色の強い作品。一言で言うと「悪魔」の姿を示している。悪魔はどこからともなくやってきて、郊外に住む平和な家族に侵入。そこにいる大人に不吉な死だけを残して何も言わず去っていく…。
!!! 以下、ネタバレを含みます !!!
Sentimental Journey / Ringo Starr (1970)
映画は結構ストックがあったりするんだが、音楽のレビューは全然なく、じゃ何かとりあえず書かないとなあ、と考えてみた結果、これが最初に書くのにいい気がした。
リンゴ・スターのソロ1作目である。今日これを取り上げるのはなかなか時代に逆行したチョイスだと思うものの、私は個人的に大好きな作品。リスナーキャリア、というものが仮にあるとすればその随分と初期に聴いたということも関係しているのかもしれない。