今年も!オーバーハウゼン国際短編映画祭
今年もオーバーハウゼン国際短編映画祭に行ってきました!
63rd International Short Film Festival Oberhausen
去年と同じこと書きますが、意外と国際的にも知名度のある短編専門の珍しい映画祭です。
63回目、ということで歴史を感じますね。
去年も挙げたWikipediaがこちら。
それから、去年は私の印象も書いたのですが、こちら。
今年は日程の関係上、一回(6本)しか観れなかったのですが、去年よりもずっと玄人向けだなという感想が増しました(笑)。
いやー、今回のは物語があるのが少なかったし、映像的にもどぎついのが多くてちょっと大変でした。。
以下、個人的な感想です。
観たのはインターナショナル・コンペティション9回。
- 南アの60年代の人々を記録した映像をつなぎながら男女二人の会話が進行する『Say It With Flowers』。古い映像に出てくる人々の表情が生き生きしていて、独特の印象を与える。個人的には好きだった。
監督の公式サイトより。
- 『Borderhole』はコロンビアとアメリカの国境をテーマに女性二人(監督)がほぼ全裸でパフォーマンスを繰り返すという作品。パフォーマンス自体も編集もあえてそうしたのだろうが全体的に素人感がすごい(静止画ならクソコラという言葉がぴったり)。本映画祭での「特別賞(Special Mentions of the International Jury)」を受賞しており、そのコメントにある通り「強い印象」を残したことには違いないのだが、ちょっと……個人的には消化不良で……14分、なかなかきつうございました。
- 『Unhomely Street』。 パンクっぽい女性が見知らぬ街で目覚めてからの徘徊を描くイギリス作品。記憶がなくしかも頭に傷を負っている彼女が真相を求めるという筋なのだが、とにかくその道のり、思い出されることすべてが悪夢的で(しかもかなり悪趣味にディフォルメして)、なんというか「悪夢そのもの」みたいな表現だった。
- オランダからの『AAA (Mein Herz)』。一人の女優が自由自在に顔と声を操るさまをクローズアップの1ショットだけで見せる。今回の5本のうち、個人的にはもっとも気に入った。音楽のジャンルもヴォーカルのトーンもテンポもさらには言語まで違う音楽に完璧にシンクロさせるという神業。5分に満たないのだがもっと長く感じた。
監督の公式サイトより。
- 『Terrenal - Earthly (Opposite from Heaven)』。アルゼンチンの貧しい町の様子を淡々と描く受賞作(NRW州副賞みたいな - Second Prize of the Jury of the Ministry for Family, Children, Youth, Culture and Sport of North Rhine-Westphalia、長っっっ)。 この街、ないしは国自体への知識不足から訴えられているものが理解できずに終わった。残念。そこに暮らす人々の陰鬱な表情から大いなる批判精神はわかったのだが。でも、何を批判しているのか、が…?(貧困とそれが固定された社会そのものなのかもしれない)