A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

2017年の映画たち

いまさら明けまして、というのもはばかられるほど2018年になってしまいました。。とりあえず最初に、私の年中行事となっている昨年の振り返りを載せておきます。

 

 

 

【2017年に観た映画ランキング】

2017年も120本ちょっと映画を観たのですが、なかなか収穫のある年でした。その中でも新作からのランキングです。

 

5. サーミの血

5位はめちゃくちゃ迷ったんですが、北欧合作の本作。1人のサーミ人の少女の葛藤と成長を描いた作品。少女時代の成長がビターなのはもちろん、最終的にたどった人生について安易に答えを提示しないところがリアルで、私の気に入りました(こんなビターな経験もあったけど幸せな人生でした、なんて解はリアリズムと程遠いわけで)。それと、スウェーデンに住むサーミ人(ラップ人は蔑称)が過酷な差別を受けていた事実も、浅学ながら知らなかったので、そうした意味でも得がたい作品でした。

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映画『サーミの血』公式サイト

 

4. ア・ゴースト・ストーリー

年末滑り込みで観た秀作。詳細は以下に書いたのですが、いや愛すべき作品でした。

coroand501.hatenablog.com


 

3. シン・ゴジラ

邦画の良作にもいくつか出会えたのですが(『葛城事件』、『ハピネス』が印象的)、3位につけた意外にもこちら。2016年の大ヒットですが、私が観たのは2017年に入ってからなのでここにランクイン(自分で言うのもなんですが、違和感ありますね…)

もうこれは自分がサラリーマンだからなのか、めちゃくちゃハマりました。1回観終わってからもう1回観たほど(@飛行機)。日本でサラリーマンやってる人は結構「あるある~!」な共感多いんじゃないかなあ。

オリジナルのゴジラという映画が持っていたメッセージを正しく継承して(加えてこれまで積み重ねた世界を一切引き継がずに)リメイクしたという点も高評価。

eiga.com

 

2. レクイエム・フォー・ミス・J

2位につけたのはベルリナーレ出品作(セルビア他合作)。このレビューを書かなかったのは本当だ怠惰としかいうほかない……。

全てのひとに手放しでおすすめできるような映画ではないのですが、個人的な趣味に直球どストレートできたものでした。初期ハネケのようにセリフやBGMに極力よらない心理描写が特徴的で、さらに最終的には家族や人生に対する希望のある物語にまとまっていて、つまり、ハネケ的でもありカウリスマキ的もあるという…まさに私が好きな映画の文法だったのです。これをベルリンで観れたのは本当興奮しました。

ただ、未だにドイツでも劇場公開になってないし、日本公開なんかは随分先…というかないのではないか……

www.imdb.com

 

1. セールスマン

2017年のベストはイラン映画!

『別離』以来評価してやまないアスガー・ファルハディ監督の最新作です。『あるセースルマンの死』を劇中劇に使うというところが、「あこれ監督長いことやりたかったのかなあ」という”作家の顔”ものぞかせつつ、サスペンスとしてのお話の面白さに特にこだわった作品。カンヌの脚本賞は納得。

役者陣は常連ばかりだけど、中でもアカデミー賞ボイコットでもニュースになっていた主演のタラネ・アリシュスティの美しさといったら…!はやくも次回作に期待をめちゃくちゃ寄せています。

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Iranian Actress To Protest Trump Policies By Boycotting Oscar Awards

セールスマン : 作品情報 - 映画.com

 

 

最後まで迷ったのが『マジカル・ガール』、『ザ・パーティ』、『ひそひそ星』でした。

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皆様の2017年ベストはどんな映画でしたか?

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