A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

映画とは何か

いやはや、ずいぶん長いこと書いておりませんでした…。

意外なことにこのブログを読んでくださっている方もいると聞くこともあり、大いに感謝しながら続けたいと思っております。

 

書いてなかった間、それはまぁ非常に忙しかった、というのもあったのですが、何気に「映画を評するとは何か」とか青臭いことを悩んだりもしていました。今回はちょっとそれについて書き留めておきたいと思います。

 

映画を評するためにはそもそも対象となる映画とは何か、について自分なりにとらえなければなりません。 一般的に、映画は演劇の延長や類似したものと思われることも多いのですが、個人的にはそれは誤解というか、お芝居が映画の1つの要素であることは間違いないものの、映画ってそれだけじゃないものだと考えています。

それを冠した書籍も出ているように(マイケル・オンダーチェ『映画もまた編集である』みすず書房、2011)、私がもっともよく「映画」を表していると思っているのが「編集」です。

編集、つまり種々の要素が記録された映像を切り貼りし何かの方向性に収れんさせる。そこには(多くの場合は映像作家=監督、場合によってはプロデューサーの)明確な作為が潜んでいます。観客は一定の作為によって編集された映像を、しかも決められたフレームの中で見て、操作される。この操作された感情こそが映画体験であり、それを作り出す編集こそが映画というものなのだというのが、私の考えです。

これは、舞台で”ライブ”で演じられる芝居や、文字のみによって伝達されるがゆえに読み手に相当な裁量が許される書籍(文学と言わないのは映画もまた文学だという思いがあるためです)とは異なるものというべきでしょう(異論があることは承知しています)

まとめると、先に書いたように、記録されている、すなわち再現性があるところが、私としては映画が根本的にお芝居と違うところだと考えています。

 

で、そうした操作によって出来上がった私自身の映画体験を、文字によって再構築すること。簡単にいえば、これが映画を評するということなのでしょう。

でも! それが! 筆の拙さによって自由自在にできないことがフラストレーションだったのですが、そうしてアウトプットしていないと何故だかインプットも減ってきてしまいまずいなと思い、まぁ今日からはまたぼちぼち、気楽に好きなことを書いていこうかなと思っています。

最初はそんなつもりなかったんだけど、突然の開幕宣言みたいになってしまった。 よろしくお付き合いくださいませ。