A Dose of Rock'n'Roll

いろんな国の映画について書いています。それから音楽、たまに本、それとヨーロッパのこと。

2018年の映画たち

あけましておめでとうございます。

2019年も当ブログをどうぞよろしくお願いします。

去年は途中長期間更新が滞ってしまい1年でたった10本しか書けませんでしたが、今年はもう少しマメに更新してまいります!(毎月書けば去年以上になるという低い目標……苦笑)

 

さて、一応年始なので2018年に観た映画を振り返っておきたいなと思っております。なんとなく順位づけしたくない年だったので、ランキングにはせず、印象に残ったものについて少し。ちなみに全部で106本観ていました。

 

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Blue My Mind(2017)

ワルシャワ映画祭のことを書いていたら今年の1月末に行ったロッテルダム映画祭のことを思い出しました(すでに10ヶ月前……時間あれば書きたかったのですが…)

 

そこでもいくつも良作と出会えたんですが、本作はめでたくドイツや日本でも最近配給になったようで。プレミア直後に数社から声がかかったと監督が話していましたが、それが結実するのを見るのはやっぱり嬉しく、映画祭の醍醐味なのかもしれません。

 

最近スイスの映画でいいものないかな〜、と思っていたところでちょうど観れたので僥倖でした。それにしても、スイスドイツ語なのでこれオランダ語?ってぐらい聞き取れず。英語字幕で見てよかった、、、(傷つくドイツ在住のプライド…笑)

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Erfolg folgt auf Erfolg: ZHdK-Abschlussfilm «Blue My Mind» | ZHdK

 

ブルー・マインド : 作品情報 - 映画.com

 

 

!!! ここからはネタバレを含みます !!!

(この作品は知らないで観た方が面白いです)

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祈り(1967)

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世界中に分断と対立が広がる現代に贈る-ジョージアが生んだ伝説の巨匠テンギズ・アブラゼ監督の「祈り 三部作」日本初の一挙上映! - シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン

 

祈り : 作品情報 - 映画.com

観た映画は基本的に記録をつけておきたいのと、やはり非常に貴重な映画を観たというので書いて起きたいのですが……。なんか↓みたいな感じにしかなりませんでした。。。

 

 

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ワルシャワ映画祭 続き

本当は全部ちゃんと書ければいいのですが、なかなか遅筆で……うーむ、ブログ向いてない(笑)。

 

というわけで、端折ってワルシャワ映画祭で観た作品をいかに4つ上げて締めたいと思います!

 

『Moon Hotel Kabul』(ルーマニア、2018)

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Moon Hotel Kabul (2018) - IMDb

タイトルからアフガンの映画かと思うが、実際にはルーマニア発のコンペティション作品。同映画祭ではAnca Damian監督が最優秀監督賞を受賞しました。

実は観てから本作の評価について考え続けているのですが、なかなか難しいものでした。ある女性の死をきっかけにした主人公の心の旅、というべき作品ながら彼の成長というにはもともとそれほど未熟には描かれていないし、主人公が決断を下すエンディングを成長という前向きな言葉では表現したくない。「失ってから気づくもの」や「真実を明らかにすること」は確かに本作にとって重要な点だが、それだけではない。じゃあ、なんなんだろう?この映画が言いたかったこととは。遺体を受け取って彼女の故郷であるルーマニアの田舎までのロングドライブ、そしてその道程で出会う人々。それらが必ずしも有機的に結合しないこと、そして思いがけない出来事が人生に影響を及ぼすこと。自分が決断することだけではない、そうした「ふとした」事実によっても人生が意図せず作られていることを表現したのが本作なのかもしれない。受賞も納得の、非常に味わい深い作品でした。

 

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ちなみに、基本的に前情報はできるだけ入れないで映画を観る方なのですが、とはいうもののこれをアフガニスタン映画と思い込んで行ったのはさすがにちょっとあほだなと思いました(笑)。

 

(画像および参考リンクは以下)

Romanian female director Anca Damian wins two international awards in Warsaw and Madrid for "Moon Hotel Kabul" - The Romania Journal

Moon Hotel Kabul - Cineuropa

 

『Ederlezi Rising』(セルビア、2018)

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Ederlezi Rising (2018) - IMDb

孤独な宇宙への旅に同伴するアンドロイドが若い女性だったら?という、まぁ男性が好きそうなモチーフを直球ストレートに表現した、逆になんか目新しい映画だった。セックスシーンがやたらと多い。

お話としてはかなり王道(というか古典的?)SFで、アンドロイドは意思を持つのか?外見が人間と相違ないロボットが意志を持ったらそれは人間と言えるのか?というもの。それにしてもなんで人間は禁止されてると絶対それを破って取り返しつかなくするんですかね。

先に書いたようにセックスばっかりしてて(まぁそれが1つのテーマともいえるんだが)、脱ぎっぷりがすばらしいなあこの女優…!と思っていたら現役のポルノ女優でした!ちょっとがっかり…(でも演技は普通によかったんだけどね)。

それにしても近未来的なコンピュータの画面(デザインそのものは新規性なし、黒いバックに線で文字や図を写すやつ)の言語、セルビア語(だと思う、キリル文字は…)と英語の他にハングルが常に出ていたのだがなんで韓国語?

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基本的に男と女の2人のドラマなんだけど、男の方がちょっとジョージクルーニーに……似てない?

(画像および参考リンクは以下)

Ederlezi Rising

Ederlezi Rising | Official Trailer - YouTube

 

 

 

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以下は個人的にそんなに……でした。

 

『Soledad』(アルゼンチン、2018)

イタリアで活動した実在の過激派テロリストの伝記映画。コンペティション作品で期待してたのですが、あまりにも感傷的な映画で個人的には全然共感できませんでした……。思想に共鳴してテロリストになったはずなのだが、その思想性が全然読み取れず。これだけ見ると好きになった人がテロやってるから自分もやりました、としか見えず。……残念。

www.imdb.com 

『When the Trees Fall』(ウクライナ、2018)

離れ離れになった若い男女の話。男は押し込み強盗をするもギャングに追われる身になり、女は望まない結婚をする羽目に。悲劇なのだろうが最後の唐突なSF的展開に度肝を抜かれる。ただ、ちょっと何を言わんとしていたのかは……。馬を愛でる無垢な女の子が可愛かった。

www.imdb.com

形のない骨(2018)

久しぶりに海外の劇場で観た日本映画。なんとなく、骨に関連した(おくりびとのような)心温まるお話かと思いきや、さにあらず。なかなか衝撃的な内容でしたが、個人的にはすごく好きでした。なお、上映時の英題は「Hot Ashes」。

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 形のない骨 : 作品情報 - 映画.com

  

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Irina(2018)

ワルシャワ国際映画祭で観た1本目。5本鑑賞した中でもっとも私が気に入った1本でした。原題はブルガリア語なので”ИРИНА”となります。同映画祭では審査員特別賞を受賞。

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Irina (2018) - IMDb

 

ワルシャワがインターナショナル・プレミアでしたが、先行してブルガリア国内の映画祭で上映されたようです。こちらのリンクも貼っておきますね。

IRINA - 36TH GOLDEN ROSE BULGARIAN FEATURE FILM FESTIVAL

  

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ワルシャワ国際映画祭に行ったこと

前回とは打って変わってヨーロッパの話題。今月13〜21日まで開催されていたワルシャワ映画祭に行ってきました!

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ウィキペディアによれば、時期的に重なることもあって東京国際映画祭と同じぐらいの位置づけらしいです(国際映画批評家連盟公認のものとしては。公認されていないものでロッテルダム国際映画祭のように大規模なものもあるのですが、それはまた次のお話……!)。詳しくはこちら世界14大映画祭の1つ……って多いわ!(笑)

 

この映画祭の最大の特徴は…………アクセスがめちゃくちゃいいこと(笑)。

ワルシャワのシンボルといえば、やはり中央駅前にデーンとそびえ立つ文化科学宮殿なのですが、なんとそこが会場。絶対迷いません(笑)。

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(この宮殿自体はソ連時代の”贈り物”で今でも賛否分かれるようです。私の知り合いのポーランド人からもいろんな意見が聞かれました)

 

この宮殿が位置しているのが中央駅。主要な鉄道、地下鉄・トラム・バスが着くところなので空き時間にちょっと観光して戻ってくるにもなかなか便利なところだといえます。

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 街にもポスターが。

 

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